2021/02/02
今回は、医院設備について、
以前より使用していた器材洗浄機を新たに ミーレ・ジェットウォッシャーに入れ替えを致しました。
クリニック内で、医療従事者や治療器具などを通じ、ある患者さんの感染症が他の患者さんに感染してしまうことを院内感染と言います。今や院内感染は社会問題として取り上げられており、しっかりとした対策を行っていく必要があります。
グローブやコップ・エプロンなどディスポーザブル製品をできるだけ使用し、それ以外の使い捨てが出来ない器具はミーレ ジェットウォッシャーというドイツのMiele&Cie.KG社製の歯科用器具洗浄除菌システムでの器具洗浄を行っています。
手洗いでは難しかった複雑な構造の歯科器具も徹底的に洗浄する事ができます。
(ステージ1)ミーレ ジェットウォッシャーはまず低温の水、次に 55°Cの温水で洗浄を行います。 歯科医療機器に付着したタンパク質は、60°Cを超えると凝固し始めます。ミーレ ジェッ トウォッシャーは、タンパク質が凝固しない温水で、まずタンパク質を除去します。
(ステージ2)
水を強い力で汚れに直接当てることで優れた洗浄効果を得ることができます。その為には多 くの水を循環させることが必要です。ミーレ ジェットウォッシャーは循環水量が 500l / 分 という強力な循環ポンプを採用しており、強力に水を循環させています。 また、洗浄槽の中にはスプレーノズルが 3 本あり、それぞれのノズルから洗浄槽の隅々まで スプレー(水)が行き渡るので、優れた洗浄効果を発揮します。
(ステージ3)
ミーレ ジェットウォッシャーのプログラム『Vario TD』では、最終工程で 93°C /5 分間の 熱水消毒を行います。これは、消毒水準分類における「芽胞を除く微生物を殺滅する」とい う高水準消毒(high-level disinfection)に相当し、B 型肝炎ウイルスなど耐熱性病原体も不 活性化する水準になります。
高いレベルで均一に洗浄することが出来るのです。また、手洗いを避ける事によって怪我を防ぎ、医療従事者から患者さんへの感染を防いでいます。
次にミーレで除菌された器具を、以前より使用しているクラスB規格のオートクレーブと呼ばれる滅菌器にかけていきます。器具に付着したウイルスはオートクレーブによって作り出される高温の蒸気にさらされ、自身を構成しているタンパク質が変成を起こし死滅します。
小型高圧蒸気滅菌器のヨーロッパ規格EN13060では、小型高圧蒸気 滅菌器の性能要件とそれに付随するテスト方法が規定され、医科・歯 科などで幅広く使われています。血液や体液と接触する可能性のある 例 材料や器具には様々な形状のものがあり、それぞれの形状に適した滅 菌サイクルで滅菌する必要があります。ヨーロッパ規格EN13060ではクラスB、 クラスS、及びクラスNという3種類の 滅菌サイクルのクラスがあります。
日本や海外には滅菌器の規格がいくつかあり、中でもヨーロッパの規格は厳格と言われています。当院で導入しているイタリアW&Hステリライゼーション社製のLisaはヨーロッパの規格の中でも最高水準のクラスBに位置しており、確実に滅菌効果を得る事ができるのです。
いずれも、高額な設備投資…ではありますが、これからも当院ではきっちりとした衛生管理を行い、院内感染を限りなくゼロに近くする事で、皆さんに安心して治療を受けて頂きたいと思っています。