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2013年4月22日

 それでは、患者様の状態を診て行きたいと思います。
 20歳代の女性  職業:歯科衛生士 人種:日本人 の患者さまです。
 
 お口元の突出感、オトガイの後退が認められます。
 
 お口の中では、正中(前歯に真ん中)のわずかなズレ、左の犬歯のクロスバイト(反対の咬み合わせが認めらます。
 
 そして、顎の大きさや位置上下の顎のバランスを診るレントゲンの状態は、下の顎の骨は僅かに左に偏位しています。
 側貌では、上顎前突の傾向そして上の前歯は前方に出っぱっています。

 マウント模型と呼ばれる検査で、かみ合わせの状態はずれた咬み合わせでした。
CPIと呼ばれる左右の顎の関節の位置のズレも大きい状態です。
顎の関節と歯並びの調和についてはコチラ
  
顎位の診査についてはコチラ
 
 顎関節に関しては、既往歴がありました。(以前に症状がありました)
 問診や触診、そしてマウント模型でのかみ合わせの検査、CPIの検査結果から
 MRI、Xー線断層撮で(CTのアナログ画像)、顎運動(顎の関節の動き方を調べる検査などの検査を追加して顎の関節を詳しく調べます。
 
 右の関節のMRI画像所見 専門的な事になりますが、!
 右は復位を伴う顎関節円板前方転位 滑液の貯留が有り炎症状態

 左顎関節のMRI画像所見
 左は復位を伴う顎関節円板前方転位 滑液の貯留が有り炎症状態
 
 左右顎関節断層撮影では
 左右の関節には骨の変化(変形は、ないようです。)

診断としては、顎関節症(両側顎関節 復位を伴う顎関節円板前方転位・上顎前突・叢生症例)となります。
専門的な用語ですが、顎の関節が顎関節症を発症していて、出っ歯で凸凹も併発している成人症例)と言うことが出来ます。
 専門的で申し訳ありません!

この様に歯並びの見た目は非常に重度・・と言うわけではありませんが、奥歯のかみ合わせの状態、そして顎の蝶番である顎関節の状況が悪いケースは治療が非常に難しいケースと言えます。

まず、蝶番ががたついていると、土台の下あごの位置が不安定でどこで歯をを配列すると良いかみ合わせないなるかの判断が付きません。お口の中で一応合わせても根本の土台がずれていれば術後の安定は望めません。

例えば、術後の歯並びは不安定になり、歯の咬耗(歯が摩耗しすり減ること)、歯の根を支えている歯ぐきの退縮、そして顎関節の病状の悪化、それに伴う咬み合わせの変化などが考えられます。

ここから顎の関節をケアーし土台(下顎)の位置関係の安定を図り本来の患者さんの咬み合わせ状況の診断と顎関節の負担を取り安定させる治療を行います。

つづく

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ひらの矯正歯科クリニック 院長 平野武弘
ひらの矯正歯科クリニック
院長 平野武弘

【略歴】
鶴見大学歯学部卒業
同大学歯科矯正学教室入局
相模更生病院歯科口腔外科・矯正歯科担当
ひらの矯正歯科クリニック開設
日本矯正歯科学会認定医取得
Roth/Williams2年間コース受講

・Roth Study Club International メンバー
・Roth Williams Study Club Japan
・日本矯正歯科学会
・東京矯正歯科学会
・日本顎変形症学会
・日本顎関節学会